今やドバイワールドカップは世界最高賞金を誇る最高峰のレースの1つですが、このイベントがすごい理由はそれだけではありません。まず、地理や開催時期を活かして競馬関係者を含む多くの著名人や実業家や富豪を集めている点です。前後に競馬場以外でも数々のイベントが用意され、人と人を繋ぐ機会を多く設けています。「温かい気候の中、華やかなイベントやのんびりしたイベントは参加者を楽しませたり、リラックスさせたりして、各々が自国にいる時よりも親しくなり易い」と言う人もいます。ビジネスにおけるチャンスもたくさん転がっているかもしれません。もう1つは、馬券を売らずにスポンサーによって高額賞金が拠出されていることです。それにより世界各国から高レベルな競走馬たちが参戦し、それを観戦するために人々が集まります。他にも競馬場への集客のために、ドバイのテレビ番組で開催日までの日数を画面の隅に表示するなどして公示したり、ピック7(第3レースからメインレースまでの7レースの勝ち馬をすべて1点予想)やトライキャスト(連続する2つのレースの3連単を1点予想)と呼ばれる投票くじを無料で入場者1人につき1枚配布します。また花火やショーを前後半のレースの間に見せるなど、観客を楽しませる様々な試みがふんだんに行われています。まさにドバイの一大イベントです。
今年のドバイワールドカップデイにはサラブレッドのG1レースが5つ行われました。そのうち日本調教馬の出走は3レース5頭(アルクオーツスプリントにエーシンヴァーゴウ、ドバイデューティーフリーにダークシャドウ、ドバイワールドカップにエイシンフラッシュ、スマートファルコン、トランセンド)でした。皆様ご存知のように、結果はエイシンフラッシュの6着が最高で、残念ながら目立ったものではありませんでした。しかしこの5頭は、トップとは言わないまでも、仮にも昨年国内の各馬場(芝・ダード)・各距離区分のレーティングで5位以内に入った馬たちばかりですから、私の意見を言わせてもらえば、この結果は馬の実力通りとは思えません。ただ、その実力を生かして世界でもっと安定した成績を出すにはさらなる努力とノウハウが必要だと感じています。これから先、私どもの育成した馬たちを世界へ送り出すためにも、今年のドバイワールドカップからは学ぶことがたくさんありました。
さて、本誌「エンジョイ・ラフィアン」は今回で240号を数えます。発刊当初は隔月発行でしたが、所属馬の近況のニーズに応えて毎月発行に変わりました。さらに年月が過ぎ、パソコンや携帯電話の普及により、近況・写真・動画をより頻繁にタイムリーにお届けするためにウェブサイトや携帯電話用サイトの充実に努めて参りました。ネットの普及と共に会報誌の役割が変わっていったのです。寂しい気持ちもありますが、既報の通りこれを最終号とさせていただきます。
これまで執筆や編集・制作にご協力くださったたくさんの方々に心より感謝申しあげます。また、会員の皆様には長い間ご愛読いただき、ありがとうございました。
2012年5月
株式会社サラブレッドクラブラフィアン
代表取締役 岡田紘和